Permission to Dance on Stage考察~セトリ、VCR、コメントから~

Permission to Dance on Stage BTS
公式twitterより

こんにちは!お久しぶりです、@Sacchan_OT7です。
昨日はBTSの1年ぶりのオンラインコンサート(ファンミからは3か月ぶり)が配信されましたね。
直前のVLIVEでは何回もオフラインを試みて、ギリギリまでオフラインでも行けるようにVCRも2種類撮っていたと明かされた今回のオンラインコンサート。
VCRのティーザーから、花様年華(BU:BTS Universe)を匂わせる描写があり、湧いたオタク界隈ですが、なぜ今彼らがをそういう演出をしてきたのか、本公演を見て分かった気がしました。
その他、セトリやメンバーのコメント、演出などから、今回のPermission to Dance on Stageに込められた意味について考察してみたいと思います。

花様年華とButter Conceptとの関係

Permission to Danceオンラインコンサートのティーザーが先に公開されたとき、その演出の細部に、花様年華の仕掛けがたくさん仕込まれていたことでファンたちが湧きました。


花様年華を思わせる演出以外にも、最初のビリヤード場、後ろの地図、丸くてオレンジ色のスナック菓子など、Butter Concept Photoを思わせる小道具が盛りだくさんで、やはりButterから語られるメッセージと何か関係がありそうだなあという感想を持ちました。

テテ ビリヤード

Butter concept photo、PtDティーザー

Butter concept photo,PtDティーザー

butter concept photo

butter concept photo

※花様年華について、くわしくは以下をご参照ください。
https://kpop-kdrama.net/hyyh-bts/

※Butter考察についてはこちら。
https://kpop-kdrama.net/bts-butter-mv-theory/

なお、Butterの公開前、数々の謎の多いティーザーでファンを沸かせましたが、一番最初に公開されたのが、こちらの事件現場のようなティーザーポスターでした。

Butterティーザー

Butter teaser poster

こちらも、花様年華に欠かせないロリポップや、写真(フィルム)、クラッカーなどの他、バンタンの記念日であるフェスタの期間によく使われるスマイリーの風船など、意味深すぎる小道具が満載。
私も様々、花様年華(BU)に絡めて考察をしてみましたが、最終的にはポップアートの一技法である、コラージュの作品であると自分なりに納得しました。

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しかし、中身の写真の意味はいまいちはっきりせず、何か意味があるんだろうと思いながらもその答えらしきものが公式からは出ないままでした。

それが今回のPermission to Danceコンサートティーザーを見て少しつながった気がして、その観点でコンサートでの本編を見て、やはりこの時からコンセプトが一貫していたのだなあと、とても感心しました。

Butterコンセプトは「牢獄からの脱出」、ONは「コロナ牢獄」からの脱出

Butterのコンセプトフォトは、脱出を試みる悪だくみ、手錠、捉えられたバンタン、脱出(Car wash)、海で夏を満喫!という流れで公開されましたね。

butter

公式twitterよりコラージュ

今回のPermission to DanceのVCR及び本公演の演出はまさにこの流れを汲んだものでした。
最初、オープニングVCRはButterのMVを思わせる囚人の姿で、各々数字が書いたボードを手にしていました(数字がButterの時と異なる点も要チェック!)。

bts

butter MV

この後、VCRではテテ(V)がクリップで手錠のカギを外し、取調室から脱出します。
本公演では、その後、ONが流れ、監獄の中に閉じ込められたメンバーたちが登場します。
檻にかけられた鎖が壊され、ONのパフォーマンスが始まります。

ON

photo@newsis.com

ONのコンセプトを思い出していただきたいのですが、ONは、城壁(美しい牢獄)に閉じ込められたバンタンが、敢えて荒野に進むことを決意した曲。つまり、人気のあまり批判や心無い非難を受けたり、重圧の大きな今の世界(芸能界)で、一時は解散も考えたが、敢えてこの道を進んでいくと決意した曲でもありました。

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そのONのコンセプトを生かしつつ、本公演では、「牢獄を出て、これから先に進んでいく」という決意を表しています。
この記事をご覧いただくと分かりやすいかと思いますが、ここで意味する「牢獄」とは「コロナ牢獄」のことだと思います。

뉴스 : 네이버 TV연예

コロナ禍、自分たちの一番の売りでもあり、生きがいでもあるとメンバーたちが語る対面のコンサートができず、鬱に近い状態に陥るメンバーもいたほど、苦しんだBTS。
そんな現状は彼らにとって、まさに「牢獄」でした。

そこから抜け出し、いよいよ対面式コンサートのツアーを始めるんだ!という強い決意が感じられます。
実際、PtD公演の中でのメンバーのコメントは、「コンサートが生きがい。やはりファンがいないと物足りない。」「僕たちの情熱が全て出し切れていない」といった残念がるもので、ジョングクに至っては「情熱なく生きるなら死んだ方がまし」という座右の銘を語り、空席の会場を見て涙ぐむ場面もありました。

今回のPtDは、オフラインのコンサートがアメリカで企画されていることもあり、そんな決意を込めたステージなのだと感じました。

Butterのコンセプトには、コロナ禍で沈んだ世界を元気づけ、夏を楽しもうというメッセージが大きなものとして込められていました。
今考えると、Butterの歌い出し「Smooth like Butter, like a criminal under cover」からも分かるように、この「コロナ牢獄」から何とかして脱獄し、地図をもとに世界を回って(ワールドツアー)、コンサートを届けようとするHYBEの今後の計画を表していたのですね。それが、Butter concept photoの内容でした。
まさに、butter teaser posterはそんな「犯行計画」を表したコラージュ、もしくは謎を解く過程のコラージュ(事件現場を整理する警察の使うコラージュみたいな)だったのかなと思います。

一方、Butterのコンセプトには、ポップアートのコンセプトを用いて「あらゆる境界」を超えて、ジャンルに囚われることなく、大衆のアイドル/アーティストBTSとして大いに進んでいこう、というメッセージもありました。
ここでいう「境界」には様々な意味が含まれており、「音楽のジャンル」という境界はもちろん、日ごろ彼ら自身も差別を感じてきたという「人種」の境界、「ジェンダー」の境界、色んな境界の意味が込められていそうでした。
ココとの関連も次で述べてみます。

Permission to DanceのVCRについて

VCRの流れ

コンサート本編のVCRの流れをおさらいします。
ビリヤード場で悪だくみを進めていたジョングク、V、RMは、途中でピザの箱に入った色のついた粉を受け取ります。
この粉を使って何か地図上で計画を練りながら悪だくみを考えていそうです。

次のシーンは、JHOPE、ジミン、SUGA、ジンがモーテルの一室で色のついた粉を吸いながら楽しくパーティーをしています。
途中、何回か騒音のためにクレームを入れに来る白人男性。
それでも無視して続け、再度またパーティーを止めに入った白人男性には色のついた粉を吹きかけると、その男性も楽しくパーティーに加わるようになります。

その後、部屋に届けられたアタッシュケース。
開けるとボタンが入っていて、それを押すと虹色の色粉が町中に噴射しました。
それは、DynamiteのMVの最後のシーンを彷彿とさせるものでした。

dynamite

Dynamite MVより

Dynamiteの歌詞の意味が、コロナ禍で元気を失った世界で、BTSがDynamiteのように街を照らすよ、というものだったので、ここと繋がりますね。

色の粉は人々を元気に楽しくするもので、それを街に設置して、ボタンを押すことで発射させて世界を元気づけた!という流れかなと思いました。

途中で出てくる白人男性について

ただ、何回も出てくる、パーティーの邪魔をしに来る謎の外国人(白人男性)の意味がよく分からず、「誰?」といった感想が溢れていましたよね。
私もよくわからずにいたのですが、これについて考察をした海外のファンがいて、それを見て腑に落ちました。

何回もパーティーを邪魔しに来る外国人は「白人」を象徴していて、人種差別を受けがちなBTSは中々欧米の音楽シーンでも真正面から認められるのに時間がかかったり、今でもうがった見方をする人も多くいることに対してのメッセージなのではないかという考察です。

BTSの魅力を象徴する色のついた粉(ドラッグ)で楽しんでいたのにそれを邪魔しに来る存在がいて、でもその色粉を吸わせることでその人をも虜にして最後は一緒にパーティーを楽しんでしまう、ということを表しているということです。

これはまさにBTSが欧米に進出するのに苦労して、グラミーでも正当な評価がなかなかされなかったこと、しかし今年はButterでグラミーを本気で狙いに行き、事実Billboard Hot 100で10週1位を記録するなど、一大センセーションを巻き起こしている、そんな流れを暗に象徴しているのかなと思いました。

もしこれが本当だとしたら、「かっこよすぎるウリバンタン!」と叫びたいです。
先ほど述べたように、Butterは音楽のジャンル、人種、ジェンダーなどのあらゆる境界を越えて、BTSというジャンルで進んでいくというメッセージがありましたが、ここにもその思いが表れているのかなと思うと胸アツです。

7人の団体パフォーマンスにこだわったセットリスト、花様年華との関連

バンタンとARMYをつなぐ花様年華の絆

先ほど述べたPtDのVCRやButterのteaser posterなど、ことあるごとに未だに花様年華(BU)の世界観を混ぜ込んでくるバンタン(HYBE)。
彼らがいまだにここにこだわる理由は何なのでしょうか?

やはり、バンタンは、自身の青春でもあり、ヒットのきっかけともなった花様年華=つまり初心、をいまだに大切にしているのだと思いました。
そして、それはファンも同じで、花様年華以前から一緒に外からの批判と戦ってきた記憶があり、支え合いながらファン投票で彼らをBillboardの舞台にまで上げた記憶があります。
バンタン側から出される謎解きはいまだにARMYの文化であるし、謎を解くためにユング哲学や神話について勉強したり、その過程は、ファンとバンタンのコミュニケーションの過程でした。
つまり、花様年華は、バンタン側にも、ARMYの側にも、両者をつなぐ一種の絆のような役割をしているという認識があるのだと思います。

それをバンタン(HYBE)側もよく理解していて、この、彼らの一つの区切りでもあり集大成でもあるPermission to Danceのオフライン公演の場に敢えて織り交ぜることで、これまでのファンとの絆を改めて振り返り、さらにその土台の上に新しい物語がスタートしていく、というメッセージを込めたのではないかなと思いました。
意味不明に思えたButter teaser posterに込められたメッセージは、まさにこのことかとやっと腑に落ちた気がしました。

なお、なぜこの時期が一つの集大成となるか、というとやはりそれは最年長メンバーであるジンの兵役の可能性(免除の話題も出ていますが)があるからです。
7人全員が揃うことにこだわる彼らですから、全員同時の入隊の可能性もささやかれていますね。
また、そんな節目を目前にして、今はグラミーを狙える最大のチャンスの時期でもあります。
それと重なって、ウィズコロナ時代への突入を前にした韓国でのオフラインコンサートが現実味を帯びてくる中、現にアメリカではそれを実現させようとしており、やはり彼らとしてはこのタイミングで色々と重要な出来事が重なっている時期が、まさに今で、一つの集大成の時期なのかなと思います。

7人全員の団体パフォーマンスにこだわったセットリスト

今回のセットリストは、彼らにとって一つの挑戦、と直前のVLIVEで話されていました。

VLIVEより

前回のワールドツアーまでは、メンバーごとのソロパフォーマンスがありましたが、今回のPermission to Danceのステージではソロが一つもなく、全ての曲が団体パフォーマンスでした。
前回のツアーで、ソロパフォーマンスと団体パフォーマンスの順序が連続していたVが、休憩する間もなかったことから、体力的に辛く、酸素吸入機を使ってフラフラになりながら舞台をやり遂げる姿が印象的でした。

それを見ているファンからしたら、2時間半休みなくぶっ通しで激しいダンスパフォーマンスを続ける今回のセットリストが、いかに彼らにとって挑戦であったか分かりますね。
Vの最後のコメントでも「最初から最後まで、団体でパフォーマンスをお見せしたかった」と団体パフォーマンスにこだわったことを明かしています。

なぜ、今回、敢えて団体のパフォーマンスにこだわったのか、は、やはり今回のPtDのステージが、彼らにとって集大成であり、彼らの軌跡をARMYと一緒に、対面で辿っていきたいという思いがあったからではないかと思います。
7人が揃うことにいつも強くこだわる彼ら。
「7-1=0。一人でも欠けたら防弾少年団ではない!」とよく言っていますが、そうした防弾少年団としての軌跡を、この節目にファンと対面で辿りたかったという思いの表れだと感じました。

セットリストを見て、率直に感じた私の感想がこちら↓です。

また、最後のVCRで、先日の国連でのスピーチの映像を、Permission to Danceの曲に乗せて流し、そのあとに「Young Forever」を歌った彼ら。
国連でのスピーチが、コロナ禍の若者を励ますメッセージであったことを思い出しました。
Young Foreverは、いつまでも少年の心を忘れずにいたい、という少年から大人へ成長する過程の痛みと、彼らが芸能の世界で成長する過程の痛みを重ね合わせた楽曲です。

「防弾少年団」の名前には「社会の抑圧から若者を守る」という意味がありました。
その初心をずっと持ち続け、先日の国連でも一貫したスピーチを届けたBTS。
その国連での映像の後に流したYoung Foreverは、「そんな初心を忘れずにこれからも変わらず進んでいく」という決意のように思えました。

許可がなくてもパフォーマンスができる世界に

Permission to Danceは、数あるBTSの楽曲の中でも、一番好きな曲の一つです。
長引くコロナ禍で、職を失ったり、家族や友達と会えなくなったり、辛い時期を過ごしている人々への応援歌。
許可や証明がなくても、楽しく集まって、ライブに行ったり、旅行に行ったりできる時期を待ち望んでいる私たちにとって、この歌は希望を感じさせてくれました。
そして、苦しんでいるのは自分だけではないし、いつかきっと抜け出せる時期は来る、と自然と思えるような明るいMVに心が救われました。

ここまで、Permission to DanceがバンタンとARMYの軌跡をたどったコンサートだと述べましたが。
一方で、「Stories on Pandemic」の天才的アナグラムに気が付いたARMY友達がいますが、対面でこのコンサートが実現した際には、それがバンタンとARMYそれぞれのコロナ禍での人生物語、Srories on Pandemicの終止符が打たれる時なのではないかなと思います。

本当に、音楽やエンターテインメントの力は絶大だな、と改めて感じる今日この頃です。
それがコロナ禍で絶やされてはいけないなあと、改めて考えさせられます。

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