こんにちは!さこまよ(@SacchanOT7)です。
今回は、BTSの楽曲を語る上では避けて通れない「花様年華」のストーリーについてご紹介します。
花様年華のストーリーを軸に展開される数々のBTSのミュージックビデオやショートフィルム、公式が出す小説「NOTES」、ウェブトゥーンなどの物語は全てリンクしており、壮大なメッセージが隠されています。
この、花様年華のストーリーは、2015年「I NEED U」に始まり、2020年「MAP OF THE SOUL:7」を経て、小説「NOTE2」が発売され、その後、明確な続きが出ないままでしたが、「Fillm out」をはじめ、いまだにビッグヒットから供給される数々のコンテンツには、どうも花様年華を連想させるものが存在します。
しかし、この花様年華のストーリーとその裏に隠されたメッセージやMVのメッセージを理解するには、小説のストーリーラインを追うだけではなく、ヘルマン・ヘッセの小説「デミアン」やアーシュラ・ル=グウィン「オメラスから歩み去る人々」などの文学作品やギリシャ神話、ユング心理学、ジェームズ・ドティ「Into the Magic shop」の書籍などの元ネタ(ビッグヒット側が元ネタとして言及、暗に示す)を理解している必要があります。
今回は、これまでの花様年華の展開をできるだけわかりやすくまとめてみます。
世界中のARMYによって解読され、共有されている通説がある
花様年華のストーリー(英語では、”Bangtan Universe”)は2015年以降、世界中のARMY(BTSのファンダム)により解読され、ARMYの中で共有されています。
大まかな流れは”通説”として定着しています。また、小説「NOTE」を読むことで理解がさらに深まります。
英語のリンクになりますが、本項の文末に貼っているものが、関連ミュージックビデオの見るべき順番や、通説をまとめた代表的なものです。
本記事は、その通説に則り、通説の順にMVを見て、そのディテールから自分なりに再解釈したものと、小説の内容を併せて、小説のストーリーラインだけではなく、BTSが伝えたいメッセージをも紐解いてみるものです。
通説に立った上で、そこから得られた所感、BTSの伝えたいメッセージの考察、本記事で扱う個々のミュージックビデオの解釈については、ビッグヒット側が元ネタとして言及している小説やユング心理学の書籍などを読んだ上での私独自の解釈となります。
また、歌詞や、メンバーの発言にはクォーテーションマークなどを付けて区別していますが基本的に全て私自身が記載している文章になります。
参照した通説まとめ(英語サイト)
http://bucontentgui.de/
https://bts.fandom.com/wiki/BTS_Universe
「花様年華」とは
そもそも「花様年華」とは、元は2000年に製作されたウォン・カーウァイ監督の香港映画のタイトルとして有名で、「人生で最も美しい瞬間」を意味します。
以前、RMはツイッターで「人生で最も美しい瞬間」に加え「青春」という意味も付け加えています。
また、2021年に放送されたバラエティー番組「You Quiz on the Block」の中で、RMは「毎瞬間、最後のように」という言葉とともに、「花様年華」という言葉を添えています。
さらに、アルバム「花様年華Young Forever」に収録されているRMの作詞した曲「Epilogue:Young Forever」の中の歌詞では、「いつまでも僕のものにはできない大きな拍手喝采」や「完ぺきな世界なんてありえない」といった歌詞が印象的です。
今、BTSがまさに駆け抜けていて永遠のものではない「花様年華」という哲学を、象徴的なストーリーとともに視聴者にメッセージとして訴えかけるとともに、青春を経て大人になる過程で生じる葛藤、という2つの軸があるのではないかと思います。
以下で説明する「花様年華」のストーリーは、架空のストーリーなのですが、そこから読み取れるメッセージには、アイドルとしての彼ら自身の経験や思い、哲学が込められていると考えられます。
また、誰もが成長する過程で経験する「子供」から「大人」になる過程の葛藤や苦悩、成長するにつれて見えてくる人生の嫌な部分と向き合い、折り合いをつけるプロセスを描いており、私たちの共感を呼ぶものとなっています。
花様年華期のミュージックビデオ
花様年華のストーリーはミュージックビデオでは2015年リリースの「I NEED U」から始まります。
以下の順番でミュージックビデオとショートフィルムをご覧ください。
- 「I NEED U」ミュージックビデオ
- 「花様年華 on stage:prologe」ショートフィルム
- 「RUN」ミュージックビデオ
最初、ばらばらに見ていた時は分からなかった繋がりが見えてきます。
特に、「Prologue」のラストから「RUN」の冒頭のシーンは繋がっていますね。
https://youtu.be/Bt8648TNX1M
※上記動画がYoutubeで年齢制限のある動画と認定されてしまったようで、ブログに埋め込みできなくなっていましたので、上記リンクから飛んでみてください。
ざっくりいうと、7人それぞれが何らかの問題を抱えている描写が出てきます。
印象的なのは、以下のシーンです。
- テヒョンが父親を刺してしまう
- 自殺をほのめかすメンバー
- 車にひかれそうになるジョングク
- 海で戯れる7人
- テヒョンが海に飛び込む
- カメラを撮るジン
またこの3つの動画を通じて、時系列が行ったり来たりしていることがなんとなく分かります。
さらに、日本版「I NEED U」ミュージックビデオでは「百合の花が燃える」描写が印象的です。(これがタイムリープと関係してくることがのちに分かります)
また、日本版「RUN」のミュージックビデオからは、不安そうにするジンの表情が印象的でジンが何かのカギを握っているのではないかと推察されます。
結論から言うと、上記の映像は以下を表しています。
- 海で遊ぶシーンは2022年5月22日に皆で海に行き、写真を撮ったシーン。花様年華のストーリーラインでは、何度もこの5/22を繰り返します。なお、学生時代の6月12日にもみんなで海に行きますが、この時はまだ悲劇が始まっておらず、ジンが繰り返し懐古するシーンです。
- メンバーそれぞれに事情を抱えていて、逮捕されたり、自殺をしたり、親を殺したりする
- ジンは百合の花を燃やしてタイムリープを行い、楽しかった時代に戻り、悲劇的な未来を変えようとする
※ミュージックビデオだけでは各メンバーに何が起こったのかは分かりにくいですが、小説「NOTES」やウェブトゥーンを読むと細かく記述があります。
また、小説等を読むと分かりますが、ジンがタイムリープを始めた理由としては、この悲劇の発端がジン自身にあったと、ジンが思っているからです。
ジンは「優等生」であっため、校長先生の影響で、不良であった他メンバーを「売る」裏切り行為をしてしまったのです。
WINGSショートフィルムと血汗涙
WINGS
次に、WINGSショートフィルムという7編の短編の動画を見てください。
花様年華では、メンバーごとにテーマがありますが、このショートフィルムは、それぞれの心の闇や過去を掘り下げた概念的な作りになっています。
このショートフィルムは、公式から出ているコンセプトとしては、ヘルマン・ヘッセ「デミアン」の小説をもとにしているとのことです。
「デミアン」は「誘惑に出会った少年の葛藤と成長を描く」物語で、このコンセプトをもとにストーリーが展開していきます。
WINGSのアルバムと同じ順番でショートフィルムが展開されます。
- Begin
- Lie
- Stigma
- First Love
- Reflection
- MAMA
- Awake
これらのショートフィルムと、先ほど述べた「花様年華」期のMVの描写はいくつかリンクしているため、花様年華のミュージックビデオの中で断片的に描かれたメンバーの苦悩を、象徴的に表していると思われます。
また、ショートフィルムの最後に4つ卵のようなマークが出てきますが、これは「デミアン」の中にも出てくる「卵」で、「ここから生まれ出ようとするには、一つの世界を壊す必要がある、そして、鳥となって神(アブラクサス)のもとへ飛んでいく」ことを象徴していると言います。(アブラクサスの描写は、WINGSショートフィルムを全編見ると随所に出てきます)
また、鳥になる=成長することは、明るい側面だけでなく、人生の嫌な面・暗い側面を両方兼ね備えていくこと、も意味します。(アブラクサスは誰かにとっては悪魔、誰かにとっては神、と言われる)
つまり、青春から抜け出し、成熟する過程を表してもいます。
成熟する過程では羽が生え、「成長痛」が伴い、それを経て大人になっていく様を描いていると言えます。
血、汗、涙
一方で、WINGSのアルバムに収録されている「Boy meets evil(悪魔に出会う少年)」もカギを握っていると思われ、次の「血汗涙」とこのWINGSショートフィルムをつなげる理解としては、悪魔の誘惑に誘われ、「自分の世界を壊す=成長する」ことが描かれています。
そして、次に見るべきが「血汗涙」のミュージックビデオ。
これは、ギリシャ神話などを理解したうえで見る必要があります。
メンバーそれぞれ、ギリシャ神話に出てくる神々になぞらえられているという説もあります。
ジンが冒頭で見ている絵はブリューゲルの「反逆天使の堕落」という作品。
「反逆天使の堕落」は、「高く飛ぶな」という教訓を無視して飛んだイカロスが太陽に向かい高く飛びすぎて蜜蝋が解けて海に落ちて死ぬ、様子を表しています。
※「Boy with Luv」のRMのラップにもイカロスの翼が出てきます。高く飛びすぎているのは、ここではBTS自身を表しているのではないかと思いました。
ミュージックビデオではメンバー全員が悪魔の誘惑に誘われていく様子が描かれています。細かく言うと、ミュージックビデオの後半で羽が生えるテヒョン(悪魔)がメンバーを誘惑し、最後まで抵抗したジンまでも、悪魔の誘惑に誘われます。(「キス」は悪魔との契約を意味する)
なお、ジンが抵抗をしている様は、目隠しをされている様から分かります(現実を見たくない)
そして、これが冒頭の「花様年華」期ミュージックビデオとどう関連するのか!?というのを解説してくれているのが、日本語「血汗涙」のミュージックビデオです。
冒頭の「花様年華」期のミュージックビデオ との関連で、「成長痛」を感じながらも「青春」の甘い誘惑から脱し、成熟への道を、それぞれの方法で進むメンバーが描かれます。
花様年華期のミュージックビデオで父親を殺したテヒョンは、まさに自分を押さえつける象徴であった存在を殺し、成長への道を模索しますが、この「血汗涙」のミュージックビデオの中では、その罪悪感から、うまく成長できない様子が象徴的に描かれます。
しかし、最後は自分なりの成長の方法を見つける様子(屋上に出る)が描かれています。
なぜここでテヒョンが悪魔(大人になるきっかけ)の役なのか。
それは小説NOTEを読むと何となく分かります。
小説では、ジンがタイムリープに苦しんでいるときに、テテは夢でその様子を見ることで、ジンがメンバーを助けるために一人で奮闘していることに気が付き、ジンに救いの手を差し伸べる人物だからです。
また、このMVではジンがテヒョンを殴るシーンが印象的でした。
最後で「ごめん」と謝り、自らの過ちに気が付いているようにも見えます。
このMVの流れでいうと、大人になりきれないジンは、成長を拒んでいるように見えます。小説の流れでいうと、真実に気が付き始めたテヒョンに何かを隠しているのではと責められ、突き放し、その救いの手を払いのけてしまうジンと重なります。
そして、結局、鏡が割れるシーン。
ウェブトゥーンでは、ループが始まる際には鏡が割れる描写があります。
ここでは、結局、ジンがメンバーたちを救いきることができず、またループが始まってしまったことを示唆していると思いました。
最後はガソリンスタンドの車のシーン。
ここでは、また一から(ナムジュンが逮捕されることから防ぐことから)ループを始めたジンを表していると思います。
LOVE YOURSELF期のミュージックビデオ
Euphoria : Theme of LOVE YOURSELF 起 Wonder
そんな状況が一転するのが、このEuphoriaのコンセプトムービーです。
このムービーは、「花様年華 on stage:prologe」の最後、海に飛び込むテヒョンのシーンから繋がっています。
ここでは、テヒョンの手に包帯がまかれている(父親殺しが阻止された)こと、手を広げ羽ばたこうとしているジョングク、楽しそうに走る7人の姿が印象的です。
冒頭で、ジンがタイムリープを繰り返すたびにメンバーの運命が変わっていっている様子が見て取れます。(安心するジンの表情)
またこの動画の中で、ジョングクは、これから起こりうる辛い人生ではなく、明るい未来をイメージしている様子が描かれています。
テヒョンは父親を殺さず、ジョングクは自殺をせず、ジミンも病院から抜け出す。
このビデオでは、お互いを救い、支え合う7人の姿が描かれます。
小説を読むと分かりますが、ジンがメンバーを操作してお互いを救い合うように仕向けたためです。
そして、それまで悲劇的だった結末が、どんどん良い方向に反転していきます。
最後、台の上に上り、海に飛び込むのが、ここではテヒョンではなく、ジンに変わっています(カメラは海に投げただけ)。
そして、安心したように微笑むジン。
ここでは、メンバーを救うべく奔走したジンのおかげで、メンバーの不幸が防げた様子が描かれています。
しかし、最後に怪訝な顔でジンを見上げるテヒョン。
小説では、テヒョンは繰り返し悪夢を見ていて、実はそれが現実だったのではないかと気づき始めます。そして、それにどうやらジンが関係しているらしいことも。
ここでは、そんなテヒョンの、ジンへ向けた疑惑を表しています。
最初の花様年華 on stageでは高台からテヒョンが飛び降りたことでループが始まってしまいますが、ここでは代わりにジンが台に上ることでそのループを防ぐことに成功したのです。
そして、ここでいったんハッピーエンドを迎えたかのように見えました。
LOVE YOURSELF Highlight reel”起承転結”
しかし、こちらの動画では、また新たな展開が続きます。
花様年華の小説のストーリーと重なるようにして、「少年から大人へ」成長する物語がMVで並行して描かれてきています。
そこでは、メンバーそれぞれの苦悩と、それぞれの方法で苦悩と向き合い、成長しようとする姿が様々な視点から描かれてきました。
成長とは苦痛を伴い、時に残酷さを伴うものですが、この残酷さを受け入れられないジンが、メンバーを救おうとタイムリープを繰り返していたことが「LOVE YOURSELF Highlight reel”起承転結”」のショートムービーで明確に明かされます。
映像は、花様年華期ムービーで事故に遭ったジョングクのその後の病院のシーンから始まります。
そして、この映像の最後では、以下のように語られています。
時間を戻すことができるなら、僕たちはどこに戻るべきだろうか
その場所のたどりついたら、全ての間違いと過ちを正し、
幸せになることができるのだろうか
数えきれないほど多くの季節を繰り返しても、たどり着けない場所がある
結局向き合わなければならないのは、昨日とは違う嵐
その真ん中を突き進んでいくこと、恐れずに愛するということ
ためらいと別れること
僕自身として生きていくということ
メンバーを救うべく、タイムリープを繰り返しながらも、次第に疲れていくジンの顔が見て取れます。(繰り返し「服=ペルソナ」を着替えていることも注目)
また、ここで、ジンはある女性に恋をしますが、彼女を救うミッションも新たに加わっています。
小説を読むと分かりますが、ジンは彼女が落とした赤い日記帳を見て、そこに描かれた彼女の理想の男性を演じ、彼女の心を得ようと奮闘します。
しかし、ある日突然、彼女が交通事故に遭って死んでしまいます。
それを自分のせいだと責めるジン。
タイムリープを再び繰り返し、彼女を救おうとしますが、いくらタイムリープを繰り返しても、うまく行かなかったことが分かります。
また、うまく彼女を救えても、別れを告げられてしまうのです。
その理由は、「ジンが変わってしまったから」。
ジンは、過去の自分過ちを受け入れられず、タイムリープを繰り返して我(記憶)を失ってしまっていたからです。
そして、ここで新たに出てくる女の子たちとメンバーたちの関係も意味があります。
ここでは、女の子たちとの関係を通して、暗い過去を背負い自分を受け入れられないメンバーたちを象徴的に表しています。
ユング心理学でいうと、「男性である自分の中に存在する女性的人格との融合=人間的成長」を意味することも、ここで女性たちが出てきた意味であると思います。
自分を受け入れられない=自分を愛することのできないメンバーたちは、本当の自分の気持ちを伝えられず、次なる成長のステージに進むことができないでいるのです。
スメラルドフラワーショップのブログ
物語を紐解くカギで、もう一つ忘れてはならないのが「スメラルド」という花です。
Highlight reelのムービーの公開と同時期に、突然現れた上記のブログ記事。
公式からは全く何の説明もないものでしたが、実在するかのように、花屋のブログ記事がアップロードされ、そこでは「スメラルド」という花について語られています。
ここでは、スメラルドにまつわる、悲しい伝説が紹介されました。
醜い容姿を持った男は人と交わることなく古城で暮らしていたが、ある日、ある女性に好意を抱くようになる。
彼女のためにスメラルドの花を育てたが、自分の姿に自信を持てず自分の思いを伝えられないまま、女性は病気でこの世を去ってしまった。
また、同様のブログにて、その花屋にどうやらジンと見られる男性が訪れた様子が分かる記載がありました。
先ほどのHighlight reelの動画で自分の思いを告げられなかったジンとリンクします。
なお、LOVE YOURSELFのカムバック期には以下のように、スメラルドの花束を持つジンの様子がポスターになっています。
FAKE LOVE ※2022年4月追記あり
そして、この次に来るのが、「FAKE LOVE」のミュージックビデオです。
このミュージックビデオは、お城のような場所で、メンバーそれぞれが苦悩と戦う様子が描かれます。
ミュージックビデオの冒頭には、スメラルドの花が、瓶に入った様子も見て取れます。
先ほどの、スメラルドの伝説を思い出すと、古城に閉じこもり自分の容姿に自信が持てず愛を伝えることのできなかった男とリンクします。
「FAKE LOVE」のミュージックビデオをより理解するには、先だって公開されたオフィシャルティーザーをまずご覧ください。
以下はオフィシャルミュージックビデオ(Extended ver.)
このミュージックビデオでは、自分を愛することのできないメンバーが描かれています。
仲間を裏切ってしまった自らの過ちを呪い、先に進めないジンをはじめ、過去の呪縛や孤独に苦しむメンバー。
大丈夫なようにふるまっていても(=「FAKE LOVE」)、自分を愛することのできないメンバー。
彼女の心を得ようと必死に、彼女の理想の男を演じようとするジン。(虚飾の愛)
※追記:LYSアルバム収録曲「HER」はそんな「虚飾の愛」の虚しさを歌っています。
2022年4月、カムバの噂に湧く中、RMがインスタグラムのストーリーに「HER」を投稿しました。
オフィシャル・ティーザーでは、ジョングクだけが、鍵の入った箱を受け取ります。
そして、走り出し、メンバーを救いに行こうとする(ように見える)ジョングク。
このカギは、自分を受け入れ、そんな自分の弱さをさらけ出し、他者と交わること(他者に助けを求める)、だとされます。
なお、テヒョンのソロ曲「singurality」では、「自分は大丈夫なようにふるまい、独りよがりになり、孤独を強める」様を表現しています。
自分を受け入れ、自分を愛することが、成長へのプロセスであるということです。
ジョングクだけが先にこのカギを受け取ったのは、先ほどのEuphoriaのムービーで、唯一、青春の先にある未来を肯定的に思い描いた人物であったことともつながっています。(橋=未来を意味する、の下で両手広げ羽ばたくジョングク)
このFAKE LOVE及びEuphoriaには、「青春と別れを告げ、大人への道を進むには、自分を愛すること、受け入れることから始める必要がある」というメッセージが込められています。
また、自分を愛することで、他者へも愛を与えることができるようになり、さらに、そのようにして愛を与えられた者は自分自身を受け入れるきっかけを得ることができるのだ、ということも伝えています。
そのことから、私たちは一人では生きていけない、他者とのつながり、他者からの愛や助けなしには生きていけないのだということも示唆しています。(実はこれは「DNA」で手をつないでいるメンバーの振り付けにも表されていると言います。)
これは、Euphoriaで7人が横一列に並んで、微笑むシーンからも想起されますね。
なお、このFAKE LOVEのカムバック時の歌番組で、 Dr. James Doty「Into the Magic Shop」という書籍の一説が画面に映し出され、また、オフィシャルティーザーの冒頭でも紹介された、この「Magic Shop」を理解することで、上記のFAKE LOVEへの理解がより深まる仕組みになっています。
”Magic Shop”とは、恐れをポジティブな態度に変換する心理学的な技術である
一方で、引っかかるのは、小説NOTEでジョングクが自分を轢いたのがジンなのではないかと疑っていることです。
また、小説では、ジンが魂の地図を見つけ(後述)、タイムリープを繰り返していたことをメンバーに打ち明けてハッピーエンドに向かうように見えるのですが、ジョングクだけは、自分を轢いた犯人がジンであると疑っており、ジンの告白も信じることができないでいました。
この顔は、ジョングクがジンを疑っているからこその顔なのではないかとも思えました。
一方で、ジンにはジョングクを轢いた自覚はありません(車の運転中、何かにぶつかった描写だけはある)。
小説のNOTE2までしか出ていない現在(2022年4月時点)言えることとしては、ジョングクが事故に遭った際に見たオッドアイの猫(後述)により、ジョングク自身もタイムリープの力を得たのだと思います。
ジンは、小説で、どんなに頑張ってもジョングクの事故だけは防ぐことができませんでした。これはすなわち、ジョングクの事故は、ジンのタイムリープによるものなのではなく、ジョングク自身のタイムリープによるものなのではないかと推測しました。
そして、ジョングク自身のモヤモヤだけ解消されないまま、一人時空を彷徨う描写で終わっている小説NOTESの記述からも、ジョングク自身が何か解決すべき問題を抱えたまま、花様年華のストーリーラインが止まってしまっています。
おそらく、ジンのタイムリープとは別に、ジョングクのタイムリープにも何か重要なカギが隠されているように思えます。
このFAKE LOVEでジョングクだけがカギを受け取ったのは、そこと繋がってくるのかもしれません。
Permission to Dance on stage Seoulで、「咲かない花」だったスメラルドの花が咲いた演出がありましたが、これはまさに、FAKE LOVEから先のストーリーが今後展開していく、つまり止まっていた花様年華のストーリーラインが再開するという暗示だったのでは?とも思えました。
そして、思い出してみてください。
BTSの新しいストーリー、「CHAKHO」の主人公は、ジョングクですよね…?
LOVE YOURSELF 結 Answer ‘Epiphany’ Comeback Trailer
ジンのソロ曲Epiphanyのカムバックトレイラーの映像では、ジンが、自分の部屋(卵の殻)から歩み出る様子が描かれています。
部屋の外に出ては、落胆して帰宅し、また外に出ては雨に打たれうなだれるシーンが印象的です。
しかし、最後には、赤い日記帳を見て、何か意を決したかのように身支度をし、また外に出ていくジン。
そして、映像の最後には以下のような独白。
自分を探す旅の最後にたどり着いたのは、再び元の場所
結局、探すべきものは全ての始まりであり、
道しるべは魂の地図
誰にでもあるけれど、誰にも探すことのできないそれを
僕はこれから見つけたい
つまり、先ほどの動画内で、外に出ては雨に打たれ、辛いことにやうまく行かない自分に出くわす…それ繰り返しながらも、少しずつ前に進んでいく、そうして大人になっていく様子が描かれていますが、そのプロセスには、この独白のような気付きがあったのだと読み取れます。
「探すべきものは全ての始まり」「道しるべは魂の地図」、つまり、自分自身と向き合い、自分を受け入れて、心の声に耳を傾けて先に進んでいこうという悟りを開いたのだと言えます。
ここで思い出したいのが、RMで2018年に行った国連でのスピーチ。
僕たちの初期のCDアルバムのイントロに「9歳か10歳のとき 僕の心臓は止まった」という歌詞があります。振り返れば、他人が僕のことをどう思っているか、どう見えるかを、心配し始めたのが、その頃だったと思います。
夜空や星を見上げて空想することをやめ、他人がつくりあげた型に自分を押し込もうとしていました。自分の声を閉ざし、他人の声ばかり聞くようになりました。誰も、僕自身でさえ、自分の名前を呼びませんでした。心臓は止まり、目は閉ざされました。
でも、僕には音楽がありました。自分の中で小さな声がしました 「目を覚ませ!自分自身の声を聞くんだ」。それでも 音楽が僕の本当の名前を呼んでくれるまで 長い時間がかかりました。
(中略)
昨日、僕はミスをしたかもしれません。でも、過去の僕も僕には変わりありません。今の僕は、過去のすべての失敗やミスと共にあります。明日の僕が少しだけ賢くなったとしても、それも僕自身なのです。失敗やミスは僕自身であり、人生という星座を形作る最も輝く星たちなのです。
僕は 今の自分も 過去の自分も 将来なりたい自分も すべて愛せるようになりました。
また、「Epilogue:Young Forever」の中で「完ぺきなものなんてありえない」と語ったRMの歌詞ともリンクします。
「子供」から「大人」へと成長する過程で誰もが経験することを、メッセージとして込めているのです。
同時に、周囲の批判や大人たちからの抑圧をはねのけ、自らの音楽を守り抜き、向き合い、発展させてアーティストとして成長するBTS自身の葛藤をも描いているのではないかということが、ここから分かります。
2020年リリースのBUゲームのトレイラーからFilm outへ ※追記あり
花様年華を理解するうえで重要な2020年9月に公開されたこちらのムービーをご覧ください。
2020年に出た小説「NOTE2」を併せて読むとよく理解できます。
この動画からは、どうやら、ジンだけではなく、ジョングクもタイムリープをしているのでは?ということが推測されます。
小説「NOTES」でも、ジョングクが車に轢かれた際、不思議な猫に遭遇しています。
また、この動画で出てくる不思議なオッドアイの猫は、ジンにタイムリープの力を与えたものであることから、ジョングクもここでタイムリープの力を手にしたと言えます。
また、テテは、自分の運命が変わったことに気が付き、それがまた、ジンの行いによるものではないのかと、明らかにジンの行動に気が付いている様子ですね。そして、ジンに救いの手を差し伸べようとしていましたが、ジンはそれを拒みます。
「Euphoria」のシーンの後が、この動画で描かれているわけです。
この「BTS Universe Story」の動画と、2021年4月にリリースされた「Film Out」のミュージックビデオを参照しながら、「Film Out」の考察を見てみてください。(リンク後述)
BTS Universe Story 花樣年華 ‘MAP OF THE SOUL’のコンセプトムービーの振り返り
動画は、ナムジュンが部屋ごと爆破されて亡くなってしまうところから始まります。
タイムリープで駆けつけるも間に合わず、途方に暮れるジン。
こんなナムジュンの運命を変えようと、ジンは、「久しぶり。ナムジュンの運命を変える方法を教えて」と言って猫に話しかけます。
ジンはこの猫と出会うことによって、ジンはタイムリープをする力を得たのでした。
そして、猫は「『魂の地図』を見つけることで解決できる」と教えてくれます。
そして、ジンは別の次元へ誘いこまれ、RUNのミュージックビデオで見たシーンにタイムリープします。しかし、そこにいるのはジン以外の6人。ジンが6人に触れようとしても触れることができません。
そして、場面が変わる際の、嵐。
そのあと、今度はRUNミュージックビデオでも出てきた、トンネルをトラックで走るシーン。ここでも、ジンは6人に触れることができません。
その後、草原を6人が駆け抜けるシーンや、コンテナの中でのパーティの様子もフラッシュバックします。
そして、このコンテナでのシーンの、ジョングクとジンは目が合っていますね。
このシーンはRUNのミュージックビデオに出てくるシーンと同じです。
そして、これは「FAKE LOVE」の冒頭、扉を閉めるジンの顔と、閉まる扉の向こうにいると思われるジョングクの顔が向かい合っている描写がありましたが、それを思い起こさせます。
なお、「FAKE LOVE」では、ジョングクだけがカギを受け取り、他のメンバーを助けに行こうとしている描写がありました。(上述)
「FAKE LOVE」では、ジンを睨むジョングクをシャットダウンするかのように、ジンが扉を閉めていましたが、こちらのBTS Universeの動画では、ジンが扉を開け、向こう側にいるコンテナの中のジョングクと目が合っています。
またシーンが変わり、ジンが、原っぱにある扉を開けると、今度はそこはテヒョンが父親を刺しているシーンに繋がります。これは「I NEED U」や「花様年華プロローグ」の動画にもあったシーンですね。
しかし、その後、テヒョンがいきなり何かから目覚めたように驚き、手を見ると父親の返り血は消えており、テヒョンの過去が変わったことを示唆しています。
そして、それは、ジンの行動によるものだということが分かります。
そして、RUNなどでもでてきた海の上にある台で、ジンの横に座るテヒョン。
ジンのポケットに、7人で映る写真を忍ばせます。
(7人が全て健在で生きている証拠)
ここから、明らかにテヒョンはジンのタイムリープを知っており、しかもジンのタイムリープのおかげで自らの過去が好転したことを知っているように見えます。
そして、また、タイムリープから抜け出せず、疲弊しているジンを労うかのように肩を抱きますが、ジンはそれをはねのけます(助けはいらない!)。
ジンは一人ですべてを抱え込み、疲弊し、また、魂の地図を得るために楽しかった記憶まで犠牲にし、冷たい人間になろうとしていました。
そしてまたシーンが変わり、車に轢かれるジョングク。
轢いた車は、あの例の7人が乗っていたジンのトラックのように見えます。
小説では、ジョングクも、それに気が付いていました。
ジンも、ちょうど同時刻に車をぶつけています。
そして、再び現れる猫。
「・・・それでも生きたいの?」とジョングクに聞きます。
この猫との出会いは、ジョングク自身もタイムリープの力を手にしたことを意味していると思います。
ここで注目したいのが、日付。2022年5月22日は、先ほどのテヒョンの運命が変わった日と同じなのです。
小説を読むと分かりますが、ジンはテヒョンや他メンバーの運命をタイムリープで変えることができても、ジョングクの交通事故の運命だけは変えられなかったのです。
ジョングクの交通事故と、ジンのタイムリープは別物なのではないかと思えました。
そして、それは、ジョングク自身のタイムリープによるものなのではないかとも読めます。
そしてまたシーンが変わり、扉を開けるジン。
そこには1冊のノートが。
何も書かれていないノートはジンが触れると文字が浮かび上がりました。
なお、小説「NOTES」においては、ジンの父親もタイムリープの能力を持ち、タイムリープを繰り返しましたが結局一人では運命を変えられず、諦めてしまっていました。
ジンが父の書斎の奥に残されたノートを見つけ、父が同じような経験をしていたことを知ります。
ここでジンは、自分が大きな間違いを犯していたことを悟ります。
オッドアイの猫と交わした契約は、全ての過去の過ちを正すために、自分の記憶を消すことでした。
そのこと自体が大きな間違いだったと気づいたのです。
そして、このシーンで、ジンは本当の「魂の地図」とは何かを悟ったことが分かります。
自分が犯した全ての過ちを正すために過去を変えなければならないと考えていたことこそが、間違いだったのです。
自分の犯した全ての過ちも、自分自身の一部として受け入れること。
自分が救えなかったたった一人の人、すなわち自分自身を許し、理解し、愛すること。
それが、自分自身を救う唯一の方法だったのだと、悟ったのです。
※Epiphanyの歌詞と一致
また、ここでいう「魂の地図」とは、ユング心理学の考え方も取り入れると「自分のそれまでしてきた選択、過去、記憶からなる自分自身の心の在り方」ですので、「魂の地図を見つける」とは、「自分の過去を受け入れ、自分を愛する」こと、すなわちLove Yourselfだと解釈できます。
魂の地図が何かを悟ったジン。これまでの記憶を取り戻します。
そのことは、足元に並べられた写真から示唆されます。
そして涙を流す。
そして、次のシーンでは、楽しそうに教室で遊ぶ高校生時代のメンバーたち。
時間がさらに巻き戻っています。
一方、教室の隅で、浮かない顔をして、事故に遭った自分の姿を描いているジョングク。
ここでこの動画は終わります。
花様年華「NOTES」では、ジョングクは、自分をひいた車を運転しているのがジンだったと疑っています。
疑念を深めたジョングクは、ジンがメンバーたちに、自分がタイムリープを行い、メンバーを救おうとしていたことを明かした時ですら、ジンを信用できずにいました。
そして、孤立を深め、メンバーたちへの恨みを募らせていきます。
※追記含む
私は最初、冒頭でも紹介した「Euphoria」の動画では、メンバーたちの過去が好転して、それを見たジョングクは安堵の表情を浮かべているように見えた様子から、ジンだけでなく、ジョングクもタイムリープを行い、過去を変えているように思っていました。
また「FAKE LOVE」で一人だけカギを受け取り、成長への道を進み始めたジョングクは「魂の地図」を見つけ、そのタイムリープから抜け出し、状況を改善できたのだと読んでいました。
ですので、この、2020年9月に公開されたBTS Universe Storyの最後のシーンは、それまで明らかになったと思っていた「Euphoria」や「FAKE LOVE」の解釈と少し合わなかったのです。
小説を読んでも、最後のシーンで一人時空に取り残されているジョングクが描かれています。
そうなると、ジョングクがタイムリープを行う世界は、まだハッピーエンドには至っていない、ということになります。
また、この時点ではどうやら、ジョングクは自分の境遇をいまいち理解できていないようにも思えます。
Film outへ
そして、ここからの展開が、「Film out」のMVで示唆されていると思います。
詳しくは以下の記事を参照いただきたいのですが(冒頭は上述内容と被っていますので、必要に応じてジャンプしてくださいね)、今度は、FAKE LOVEと反転して、ジンがジョングクを助けに行っているように描かれています。
FAKE LOVEリリース当時は、Euphoriaの記憶が強く、てっきりジョングクが他のメンバーより先に成長へのステップを進んだのかと思わされていました。
しかし、その後、小説NOTE2が出て、それが間違いであったことが分かりました。
魂の地図を見つけたジン、一連の真相を悟り、ジンを救おうとしていたテヒョンがカギとなり、時空に迷い込んだジョングクを救いに行こうとしている様子が、このFilm outでは描かれているのではないかと思いました。
参考:「Spring Day」ミュージックビデオ
ここで、この花様年華の一連のストーリーと完全にリンクしているわけではないように見えるけれど、ストーリーを理解するうえで重要になってくるのが「Spring Day」のミュージックビデオです。
血汗涙の苦悩する様子から、Euphoriaで一気に状況が反転するまでの間に少し飛躍を感じたとしたら、このSpring dayが間に来ることで理解できるのかと思っています。
Spring Dayのミュージックビデオで出てくるキーワード「Omelas」がこのミュージックを理解するカギになります。
アーシュラ・ル=グウィンの小説「オメラスを歩み去る人々」に着想を得ています。
オメラスとは「理想郷」とされる架空の都市で、この都市では人々は苦しむこともなく精神的にも物質的にも豊かに暮らしています。
しかし、そのオメラスの豊かさは、ある一人の子供の犠牲の上に成り立っていたのです。
その子は知能が低く、まともに世話もしてもらえないまま不衛生な地下室に閉じ込められています。
オメラスの平和を守るためにはその子を犠牲にし続ける必要があったのです。
また、そのことはオメラスに暮らす人々も知っています。
都市全体の幸せを守るためには一人の犠牲は仕方がない、として、知っていて無視している状態にあります。
この、オメラスの人々は、本来自分で引き受けなければならない苦しみを直視せず、空虚な幸せを送っているのです。
しかし、オメラスに暮らす人々の中には、この事実を知ってオメラスを去る人々もいます。
オメラスを去れば、再び荒野が待っており、様々な苦しみが襲ってきます。
この「オメラスを歩み去る人々」は、子供を犠牲にして成り立つオメラスに疑問を抱き、自分の意志で外に出ていき、人生を生きる人を表しています。
そして、「Spring Day」では、荒野を歩くBTSの7人の姿が映し出されます。
「オメラスを歩み去る人々」の中で、オメラスを去る人々についてこう描写されています。
彼らはオメラスを後にし、暗闇の中へと歩みつづけ、そして二度と帰ってこない。彼らがおもむく土地は、私たちの大半にとって、幸福の都よりもなお想像にかたい土地だ。私にはそれを描写することさえできない。それが存在しないことさえありうる。しかし、彼らはみずからの行先を心得ているらしいのだ。彼ら—オメラスから歩み去る人びとは。
オメラスを去る人々は、自らの行き先を知っている。
これから行く先は、たとえ険しい道であったとしても、空虚や嘘でない、自分自身にとっての本当の幸せを見つけるための道のりである・・・そしてその道のりは、彼らの「心の地図」(魂の地図)に従っているんだ、と先ほどまで述べた花様年華のストーリーに合致する背景が見えてきました。
このミュージックビデオでは、幸せだった青春時代から、辛い経験を経ても自分と向き合い、成長していくことを決意したBTSの姿が描かれているのですね。
なお、この「Spring Day」には、当時大きなニュースとなった「セウォル号事件」へのメッセージも込められていると言います。
苦しむ人々の痛みを忘れず、先に進んでいく。彼らの春の日とは、「誰かの悲しみを忘れない時間」である、そういったメッセージも込められています。
参考:IDOLミュージックビデオ
ちなみに、IDOLでは、自分を愛することを学んだ7人が、周りにどう思われようと自分の道を進む、とした自分を発見する様を歌っています。
しかも、出てくる動物や巨人、メンバーが着ている服のデザイン全てに意味があります…
IDOLと呼んでもいい、ARTISTと呼んでもいい。
どっちでも僕は気にしない。好きなようにやる
俺は自分が好きだからな
自分自身が大好きさ
俺の中には数十 数百人の俺がいる(→顔がいっぱいのミュージックビデオ)
今日はまた別の俺を迎えてもどうせ全部が俺なんだから
僕は自分自身が一番好きなんだ
大丈夫俺はこの瞬間が幸せなのさ
You can’t stop me lovin’ myself
まとめ&この先の展開予想 New Chapterへ!
以上、ここまで、自分を受け入れられない、成長することを拒否するメンバーの葛藤から、魂の地図を見つけ、自分を愛し、成長する道を見つけていくメンバーの道筋をご説明しました。
花様年華のストーリーには、以下の2つの軸があると考えます。
- 「子供」から「大人」に成長する際の葛藤と、「自分を愛すること」によりそれを乗り越えること
- BTSとして成長するメンバー自身の思い、哲学
そして、成長する道は、自分自身の「魂の地図」に従うことで見つけることができます。
その「魂の地図」とはいったいどのようなものなのか?を説明し、BTSメンバー自身の魂の地図を表しているのが、次に続く「MAP OF THE SOUL」なのです。
MAP OF THE SOULの詳細については、こちらの記事で解説しています。
なお、上記で挙げた以外のミュージックビデオや楽曲にも、この花様年華のストーリーに関連する部分、自分を愛すること、成長すること、という哲学がところどころに散りばめられています。(Fire、N.O、Not Todayなどなど…)
また、RMを始めとしたメンバー自身の言葉の中には、この哲学をしっかり理解したうえで活動しているんだなと分かる言動が多々あることも、鳥肌ものでした。
ジミン:もし自分自身に対してネガティブな感情を持ったり自己評価が低かったり自分を大切にしていないと、他の人への言葉や態度も良くないものになってしまう。だから自分を愛することはとても大切だと気づき、それが僕の扉を開けてくれた。このことは真理だと思うので皆に共有したい。
RM:人生は、自分を愛する方法を見つけるための旅だと思います。
人は100%完璧になることなんてできません。だから、人生の全ての過程は、自分を愛する方法を見つけることだと思います。それが全てです。
また、2022年4月BTSのカムバックが噂されていますが、その内容がこれまでの花様年華を踏襲したものなのではないかということが、これまでのメンバーのSNS投稿や、Permission to Dance on Stageの演出、グラミー賞の演出などからも推測されます。
おそらく、FAKE LOVEなどがカギを握ると思います。
以下のツイートも参考にしてみてください!
グラミーでfire強調+花様年華を推してきたBTS。
今日のナムさんのインスタのHERは自分の中の女性的人格との融合=自己肯定、仮面を外す等ユング心理学的な考えが隠れていると思う。またユンギがリリース時の会見で”虚飾のない愛は存在するのか?”という意味を込めたと言う。まさにFAKE LOVE+ https://t.co/1HL5FpxoM8 pic.twitter.com/o28esHS8IA— Sacchan_OT7🐈シュレディンガーの猫 (@SacchanOT7) April 7, 2022
憶測だけどユング心理学の流れだと、ラブユアセルフ→魂の地図(map of the soul)と来てるから、これからの流れは共時性(シンクロニシティ)=ME,WEに繋がらないかな!?
new chapterが待ち遠しい〜❣️ https://t.co/jJfHJX4iJj— Sacchan_OT7🐈シュレディンガーの猫 (@SacchanOT7) April 7, 2022
2022年4月11日追記 スメラルド公式インスタが動いた
ちゃんと22年4月11日に来てくれた…
スメラルドインスタ。
そして”僕たちの生涯で一番美しい日”、みんなで海に行った日である5/22…
おそらくここがカムバの日だろう…😭
でも花トラック、ってソクジンの意中の人を轢いたトラック…??#bts #花様年華 pic.twitter.com/xk2vEfi19c— Sacchan_OT7🐈シュレディンガーの猫 (@SacchanOT7) April 10, 2022
来ました・・・!
ついに、タイムリープの起点となる運命の日、2022年4月11日。
なんと、スメラルド公式インスタが動きました。
4/8、スメラルド公式インスタの投稿が198から60に減り、その後0になりました。
その後、注視していたのですが、4/11午前1時頃、ついに動き出したようです。
書いてある文字は「花トラック」。
おそらく、フラワーショップの花トラックを意味していると思います。
このトラックはジンの好きな女性を轢いてしまうあのトラック…ですよね?
そして、インスタの投稿のキャプションには、こんな文字が。
バス停の絵文字とともに、韓国語で、パダ(海)とあります。
そして5月22日、の文字。
海とバス停と言えば、これを連想しました。
You Never Walk Aloneのジャケットにもある、ARMYの聖地とも化している、チュムンジン海水浴場にあるバス停です。
何だろう~~!You Never Walk Aloneの何かが来るの?
カムバは5/22?
でも、この日は日曜日なんですよね。
チャート集計日の関係で、カムバするなら金曜日が通例になっていたのですが…
何でしょう、ワールドツアーの始まりなのでしょうか?
今後に期待!!
コメント
花様年棒の始まりはまだ10代20歳そこそこで、そこから始まる想像を超える今の自分達の葛藤や恐怖をも一貫した信念で描き続けるBTSの世界観に震えました。
ほんとこの子ら何者、、、凄すぎる。
そして、この解説が更にインテリで感嘆しました。
哲学書を読んで聞いて観ている気分です。
久々心が震えました。
めりこさん、コメントをありがとうございます!
私も、本当にHYBE(Bighit)は壮大なストーリーを仕掛けてくるな、と、とても感動しました。
解釈も様々ありますが、こうしてアレコレ考える時間も楽しいですよね。
これはご自分ですべて書かれましたか?
先輩方のを参考にされてますよね⁈
ちゃんと記載した方がいいかと思います。
コメントありがとうございます。
花様年華については、考察に触れたことのあるARMYさんならお分かりになるかと思いますが、2015年から世界中のARMYにより考察されており、ストーリーなどは既に通説化しています。
公式から出ているウェブトゥーンやNOTEにも記述があります。
私の記事ではこうした通説や公式から出ているストーリーに則り、その上で独自の解釈を混ぜながら解説をしております。
念のため、私が参考にした通説をまとめた英語の定番サイトを掲載いたしました。日本語で記載されている他ブログも大体はこの通説に則っていると思います。
はじめまして✨
IDOLの衣装の意味を知りたくてコメントさせていただきました!
考察とても参考になりありがたいです。
FAKE LOVE、film outあたりのジングクの考察がわたしのなかでよくわからず、早く続きのnoteが読みたいです〜
とても分かりやすく楽しく読みました。これからも色々と考察について知りたいと思いました。オプチャとかはお持ちではないですか?
考察=周知の事実で、正解と言うような書き方は、誤解を招きかねないと思います。
考察はあくまで個々の見解で考察に過ぎず、事実=BU関連作品に記述があるもの。BUで答えを出していないものには正解はありません。
また、記載されている中にも誤りがありました。これはBUで記述されている事ですので、事実であり、資料を全部読み解いている方は、誤りに気が付きますが、知らない方には誤った見解を与えてしまいます。
考察部分は自由だと思いますが、個人の見解です、と言った書き方に変更頂けると、受け取る側に判断を委ねる形になり良いのかと思いました。
少しでも誤解をなくし、多くの方に楽しんで頂きたいと思っています。
コメントいただきありがとうございます。確かに、「周知の事実」は言い過ぎかもしれませんね。
大意は変わりませんが、「大筋で合意を得ている」等に表現を変えます。
なお、本記事については、冒頭部分で「私独自の解釈」である旨は既に明示しております。
また、誤りとはどこを指しますでしょうか?
BUの中で明確に記されているものはあまり多くないと思うのですが、誤字脱字・誤記であれば失礼いたしました。
一方、何でもそうですが、何かを指摘する際には該当部分の明示と、明確な根拠を一緒に記すことが礼儀だと思いますので、次からお気を付けください。