BTSが世界の音楽シーンを変える|グラミー賞を通してのBTSのメッセージと世界の反応

bts grammy performanceグラミー賞
公式Twitter@bts_bighitより

こんにちは!さこまよです。
2021年3月15日(日本時間)にグラミー賞授賞式が行われました。
BTSは「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞」にノミネートされていましたが、惜しくも受賞を逃してしまいました。

様々な声がありますが、私は今回のグラミー賞に関する一連の出来事を受けて、さらにBTSが好きになりました。
今回、そう思ったARMYの皆さんも多かったことと思います。
今日は、グラミー賞にまつわるBTSの言動に焦点を当ててみたいと思います。
また、今後の世界の音楽シーンの展望についても考察しました。

グラミー賞を逃したBTS。各界からは批判と不満が噴出

BTSがグラミー賞を逃したことを受けて、様々な批判がARMYからも、また様々な媒体からも噴出していました。
確かに、データのみで見る限りは、ポップ・デュオ/グループ部門においての「Dynamite」の優位性は明らかでした。
そのために、「グラミーの評価基準が不透明だ」「グラミーの体制そのものが腐敗している」「人種差別が根強く残るせいだ」などたくさんの不満や批判が出ました。

また、グラミー賞授賞式におけるBTSのパフォーマンスの順番を、受賞者でもないのに番組の最後に持ってきたことも、「BTSの人気を利用して視聴率稼ぎをしている」として批判の対象になりました。

grammy data

twitter@sophsbtsより

さらに、そもそも、BTSはIFPI(国際レコード産業連盟)の総合的な売り上げ等を加味して評価される2020年の年間ベストアーティストに選ばれていたり、自身最大のヒット曲「Dynamite」がビルボートホット100チャートで3週連続1位、また29週以上も連続で今も50位圏内に残り続けていることから、「ポップ・デュオ/グループ」ではなく、グラミー賞主要4部門にノミネートされてもおかしくなかった、との声すら上がるほどでした。

BTSが受け入れたグラミー賞での敗北 主催者は「選考失敗」を悔やむか? | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
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グラミー賞授賞式直後のBTSのコメント

グラミー賞の受賞発表が行われた直後のインタビューでは、リーダーのRMが少しいつもと違う様子だったり、ジミンがうなだれていたり、彼らも少なからずショックを受けているように見受けられました。

インタビュー意訳
RM:パフォーマンスをすることも、この素晴らしい晩に参加できたことだけでも名誉に思う。
J-HOPE:グラミーは栄誉ある賞なので、ここで韓国の文化や音楽を紹介できてとても誇りに思う
V:ARMYに会いたい。アミは皆同じ気持ちで居ると思う。来年はもっと素敵な音楽とパフォーマンスで戻ってくる

SNSでのメンバーのコメント

受賞発表後、メンバ-たちが続々と、twitterやweverseを更新しました。

みなさん、この時間まで一緒に過ごしていただき、ありがとうございました!応援してくれてありがとうございます。おかげでとんでもない経験もしています。心から感謝して、幸せです。ARMYの皆さん、愛しています。

次は必ず!

今年も頑張る。ラビュー、アーミー

受賞発表直後から、すぐにメンバーがコメントを発表し、「貴重な体験ができたことへの感謝」や「次は頑張る!」「来年こそは」と、一番落ち込んでいるはずのメンバー自身の前向きな姿勢は大きな感動と反響を呼びました。

また、Weverseでは、SUGAがメンバー以上に落ち込むARMYの様子を心配して、「僕たちより緊張しているアーミーたち…ゆっくり休んでください」と投稿もしていました。

授賞式直後のVLIVE放送

さらに、授賞式の放送終了と同時に、BTSメンバーたちはVLIVEにて揃って放送を開始。
その中ではメンバー一人一人がARMYに向けたコメントを述べてくれました。
それを見たARMYたちは、彼らの前向きな姿勢と、次に向けて頑張るという健気さに胸を打たれました。

VLIVEリンク

VLIVEでのメンバーのコメントまとめ

RM:僕たちはパフォーマンスができたことがとても嬉しかったです。賞をもらえなかったのはたくさんの人が予想していたと思いますが、来年直接行って賞をもらいなさいということだと受け止めました。
J-HOPE:賞の発表前に、RMがペットボトル投げをしていて「ペットボトルが立ったら、賞をもらえる」と言ってやっていたのに、一回も立たなかったんだ。
RM:そういうことを言うと記事になるから気を付けろよ!(笑)
J-HOPE:僕たちよりファンの皆さんが残念がっているので心配です。
ジョングク:皆さん、心配しないでください!
V:重要なことではありません。それでもステージに立ったんだから!
ジョングク:正直、今グラミーのことでVLIVEをやっていることが光栄だよ。早い時間からあるいは遅い時間から時間を共に過ごしてくださって本当にありがとうございます。
RM:グラミー不発という記事を見ましたが、不発ではありません。初のノミネートですよ。単独ノミネーションに、単独パフォーマンスを初めてやったんです。僕たちは肯定的な側面を見ましょうよ。
ジミン:皆さんは僕たちが賞をもらうことができなくて残念に思うかもしれませんが、僕たちは何もないところから始めて、グラミーという権威のある場所にも僕たちの影響が及ぶと思うと、すごく嬉しいことじゃないですか?これから僕たちがまだやらなきゃいけないことがあると思うと、すごく楽しみです。
RM:そうです!防弾少年団は一発では絶対にできません。何発か叩かれないといけません。
J-HOPE:これは2歩前進のための1歩後進です。
RM:LAにツーステップで行くので来年は覚えていてください。
J-HOPE:それでもグラミーで待ち望んでいた舞台も見せられたし。
ジョングク:それはすごいことですよ。
RM:グラミーにこうやって参加できることも皆さんのおかげです。

J-HOPE:もちろん残念な気持ちも残っていますが、望んでいたグラミーのステージにも立てて、皆さんがいなかったらこういう光栄な気分になることもなかったと思います。すごく刺激になりました。今年はもっと頑張っていい姿をお見せするために頑張ります!
ジン:正直僕は最近授賞式や仕事をしたりすることがすごく嬉しいんです。僕たちの名前が出るだけでなく、ARMYの名前も一緒に出るので、僕たちはこうやって一緒に今、何かを描いていくんだと思いながらすごく嬉しいです。このステージはひ孫の代まで語り継がれるものになると思うのですが、息子にも自慢して…こういう歴史的なステージ、僕たちと一緒に過ごしてくれて本当にありがとうございます。
V:ARMYの皆さん、一日でも早く会いたいです。僕たちの道は、もっとよくなるために今日起こったことが存在したんだと思っていて。来年、僕たちは皆さんと一緒に公演して、僕たちの音楽とステージをかっこよく撮影して、来年もう一度「グラミー」に来ることができるようにやってみます!ARMYの皆さん、もう一度助けてください!
ジョングク:「グラミー」のサイトを見ると僕たちが「一番期待しているアーティスト」の得票が高いんです。ARMYの皆さんの愛がどれくらいなのか分かったし、本当にありがとうございます。僕は今日、この経験をもとに、もっとたくさん努力をする人になりたいと思います。2021年は皆さんが送ってくださった愛に必ず恩返しをするようなアーティストになりたいと思います。
RM:僕たちはやり遂げました!皆さんが僕たちの賞であり、シャンパンです。本当にすごく十分ですし、当然残念じゃないと言えば嘘になりますが、本当にすごいことですよ。これから僕たちが叶えることがあった方が面白いじゃないですか?僕たちはネバーストップしましょう!
ジミン:僕たちと一緒にこうやって時間を過ごしてくれてありがとうございます。全く惜しくない、本当に幸せで光栄な一日だったので皆さん決して残念がらないでください。すごく肯定的な一日だったと思うし、これから状況が良くなったら会いましょう!
SUGA:僕も久しぶりに踊りました。久しぶりにステージができて、すごく楽しかったし、ステージをしたから、賞をもらえればもっといいですが、努力したからと言って貰えるものでもないし、今年はもっと頑張れば、来年にはもらえるんじゃないか?そう思います。だから僕たち次第です。今年はもっと一生懸命活動しないといけませんね。本当にありがとうございました。

メンバーたちの前向きなコメントや、「パフォーマンスができたことが光栄」「来年また頑張る」という力強い言葉に、感動をたくさんもらいましたね。
最後のSUGAの言葉のように、頑張ったから、成績を残したからと言って受賞できるものでは、確かにないのかもしれません。
しかしそのことはメンバー自身が一番よくわかっていて、もしかしたら受賞できないかもしれない、しかし、「まだ目指すものがあることが楽しい」「一緒にARMYと思い出が残せることが幸せ」と語るメンバーの言葉そのものが真理なのではないかと思いました。

グラミー賞授賞式でのパフォーマンス後の世界の反応

先ほどご紹介した、授賞式直後のVLIVEや、今回のグラミー賞授賞式の前にリーダーのRMが語っていた言葉で、印象的な言葉がありました。

こちらは受賞発表の前になされたインタビューでのRMの発言なのですが、「僕たちの目標は賞をもらうことよりもグラミーでパフォーマンスをすることでした」と語っています。
また、同じインタビューにて、「8年間で僕たちはたくさんの祝福を受けてきましたが、全部の過程を振り返って、僕たちにとっての一番の幸運は世界中にあなたたちARMYがいるということです。だからグラミーをとろうがとるまいが、僕たちは既に欲しいものを手に入れているし、全てを手に入れたんだということを忘れないでください。 」とも述べています。

このことの意味がよく分かる瞬間がありました。

多くの人が関心を寄せる舞台にてパフォーマンスができたことで、BillboardやEsquire、Forbesを始めとした名だたるメディアにおいてBTSのパフォーマンスが賞賛され、彼らの存在感と名前が改めて世界に知られることとなりました。

また、それだけではありませんでした。

TwitterなどのSNSでは、それまでファンではなかった人たちがBTSのパフォーマンスを見て「あのイケてる人は誰?」とメンバーを見て呟くなど、とても話題になりました。

さらに、記事によると、BTSのTwitterフォロワー数が授賞式の行われた15日に、前日比で4.7倍に増加、「Dynamite」のミュージックビデオ日別再生回数も2.3倍増加した、とのことでした。

このように、BTSが「存在そのものが賞」と語るARMY予備軍が増えたことから、彼らが「パフォーマンスをすること自体が目標だった」と語った意味がよく分かりました。

さらに、授賞式やこうしたVLIVE等におけるメンバーの姿を見て、心を打たれたARMYにより、Twitterでは「#BTSOurGreatestPrize」などの複数のハッシュタグがトレンド入りするなど、大きな話題と反響を呼びました。

ファンは、「正当に評価されなかった」という怒りの気持ちを持ちつつも、それをポジティブなエネルギーに変えてさらに前に進もうとするBTSの姿に心を打たれ「さらにBTSが好きになった」「もっと応援したくなった」という声がたくさん見受けられました。

ファンを増やし、既存のファンとの絆をより強固なものした、今回のグラミー賞は、BTSにとっては更なる飛躍のための大きな一歩だったのではないかと思います。

BTSが今後の世界の音楽シーンを変える、アジア人への評価を変える

今回、BTSがグラミー賞を逃したことが多くの批判の対象となっていることにも先ほど触れました。
しかし、イギリスのタイムズ紙が「BTSは未来のグラミーにとって重要な存在」と報じたように、今回のBTSのグラミー賞のノミネートや授賞式におけるパフォーマンスが今後のグラミー賞の変化を考える上では重要な転換点の一つにもなったのではないかと思います。

これまで、グラミー賞に対する人種差別の批判は根強く、近年は黒人系アーティストの活躍もあり、改善されてきてはいるものの、いまだ不公平感がぬぐえません。
さらに、アジア系の歌手となると、ほとんど存在感がないのも事実です。

このような状況の中、まずBTSがアジア出身の歌手としてグラミー賞の舞台でこんなにも大きな存在感を示したこと、また、BTSが受賞を逃したことへの批判の声がグラミー運営側にとっては大きいものだと感じられたであろうことは、次回以降のグラミー賞の選考過程に少なからず影響を与えるものになると思います。

来年、BTSがグラミーを受賞するかしないかは誰にも予想ができませんが、少なくとも、BTSがアジア人として、アジア出身歌手やアジアの音楽への世界の見方や評価を少しずつでも変えてきてくれたことは事実です。

また、今後、日本を含むアジアからBTSに続く素晴らしいアーティストが出てきた際に、世界で正当に評価される土壌をBTSが先陣を切って整えてくれているとも言えます。

Twitterでは、BTSが賞を受賞したり、セールス等で世界1位を記録するたびに「BTS PAVED THE WAY(BTSが道を切り開いた)」という言葉がトレンド入りします。
いつの時代でも、どんな場所でも、これまで誰も通らなかった道を切り開くのには、誰も予想しなかったリスクが伴いますし、常に反対勢力の批判や攻撃に遭うものです。
そういった批判をはねのけて、それでも自らの道を進むことの勇気を持てる人だけが、新たな道を切り開けるのだと思います。

「たった一人の勇気を持った者が、時代をつくっていく」
(トーマス・ジェファーソン)

BTSはこれまで、多くの人種差別的発言や批判の対象になってきたことも事実です。
報道されていない中にも、世界で活動する中で、差別的待遇を受けてきたこともたくさんあると思います。

あなたの声を聞きたい。あなたの信念を聞きたい。
あなたが誰なのか、どこから来たのか、肌の色や ジェンダー意識は関係ありません。
ただ、あなたのことを話してください。話すことで、自分の名前と声を見つけてください。
(2018年国連でのリーダーRMのスピーチ)

そのたびに、悔しい思いをしたり、辛い思いをしたに違いありませんが、それでも屈せずに前に進んできた彼らのこれまでの道のりに頭が下がる思いです。

また、アジア人への差別が白熱するコロナ禍の昨今において、BTSのように世界で活躍するアーティストがアジアに存在していることの幸運を感じざるを得ませんし、そんな彼らの存在に、同じアジア人として、尊敬と感謝の意を表したいと思います。

 

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