チームワークはBTSから学べ!BTSが最強のチームである7つの理由

bts billboard hot 100 BTS
BTS_twtより

こんにちは!さこまよ(@SacchanOT7)です。
今回は、世界的に大成功をおさめ飛ぶ鳥を落とす勢いのBTSの、「チームワーク」に焦点を当てたいと思います。

BTSといえば、その歌唱力やダンスのレベルの高さに定評がありますね。
しかし、BTSがこんなにも世界的に多くのファンに愛される理由は、それだけではありません。
また、BTSのファンARMYはかなり熱狂的なことで有名ですが、なぜ、そんなにもファンを熱狂させるのか。
それを理解するカギが、BTSの「チームワーク」にある、と私は考えます。

彼らのチームワークや、チームを形成する上での思想を知れば知るほど、私自身の仕事や人生を振り返った時に、ハッと気づかされたり、生きる上での指針になるような要素がたくさんありました。
そうした思想や哲学があってこそ、いくら人気が出ても、彼らは、謙虚さを忘れることなく、自分たちの軸をぶらさずに、一丸となって目標に突き進んでこれたのだと思います。
また、そうしたメンバーたちのひたむきな姿に触れたときに、ファンはさらにBTSのファンになるのだと思います。

私がARMYになった理由

私のことを話すと、私が自分自身を「ARMYである」と認識したのは2020年に入ってから。
KPOPファン歴は長く、BTSのことはデビュー当時から知っていて、曲やMVは必ずチェックしており、「好きなグループ」の一つ、として認識していました。
しかし、今みたいに、「沼」にハマりはしなかったんですね。
それは、KPOPはどのグループも総じてレベルが高く、パフォーマンスや歌がうまいグループというのは、他にもたくさんいたからです。
また、見た目がかっこいい・可愛いグループも他にもたくさんあります。
したがって、歌やダンスだけを見ていたのでは、自分の中で、BTSと他のKPOPアイドルグループを差異化できず、BTSの本質的な魅力に気づくことができなかったのです。
しかし、2020年になり、コロナ禍でステイホーム期間が続き、時間ができたので、かねてから気になっていたBTSの世界に一歩踏み出したら最後、一気にファンになってしまいました。

そのBTSの世界、というのは、メンバーたちの素の表情や、日常を映した動画が本当にたくさんあるのですが、そういったものがSNSなどにたくさんアップされており、一度見出したら芋づる式に「オススメ動画」が出てきて・・・気づいたら抜け出せなくなっていく、というものです。

BTSの日常の動画から垣間見えるもの

YoutubeやVLIVE、WeverseなどのSNSには、BTSの日常(練習風景、ちょっとした楽屋でのやり取り、撮影風景)や、メンバーがファンと交流しながら行うライブ放送、メンバーが出演するバラエティー番組(RUN BTS、Bon Voyage、BTS in the SOOPなど)がたくさんアップされています。
また、Twitterやインスタグラム、Facebookなども頻繁に更新され、メンバーのメッセージや写真などが上がっています。

そこで見られる彼らは、メンバー同士みんな仲が良く、素の表情で、お互いじゃれ合って冗談を言い合ったり、見ているこちら側まで大笑いさせられることもしばしば。
一方で、時には意見が合わず言い争いになる姿も赤裸々に公開されています。
また、いくら人気が出ても、ファンへの感謝の言葉を欠かさずに伝えたり、決して天狗にならずに謙虚な姿勢を忘れず、ストイックに完ぺきなパフォーマンスを追求する姿にとても感動させられます。

そうした彼らの素の魅力や仲の良さ、可愛さに惹かれてBTSのファン=ARMYになっている方が多いと思います。

BTSが最強のチームである理由

そうした多くの動画や日々のインタビューを見ていると、彼らがどうしてここまで成功したのか、が自ずとわかってきます。
また私事で恐縮ですが、自分の職場が、異なる国籍の人間や、多様な職種・バックグラウンドの人間が入り混じる、少々変わった環境で、仕事上の人間関係に行き詰まる日々が続いていました。
そのため自己啓発系の本や人生哲学の本をたくさん読んでいた時期がありましたが、そういった本に書かれていることや、実際に自分が仕事進めるうえで身に染みて痛感した、「これって真理だなあ」と思うことが、BTSの動画を見ていると、すべて詰まっていたのです。

Teamwork makes the dream work

BTSは、チームワークを第一に考えており、個々のメンバーがどうこう、よりも「グループとしてどうありたいか」を常に考えています。
BTSのツイッターにおいて、賞を取るなど何かを達成するごとに呟かれるのが「Teamwork makes the dream work」という言葉です。

これは、彼らがBTSとしてデビューする前から、呟かれていた言葉でした。
このことからも、いかに彼らがチームワークを大切にしているか、が見て取れます。

そんなBTSが最強のチーム(グループ)である理由を7つに、エピソードを交えてまとめてみました。
BTSのチームワークを掘り下げると、彼らの世界的な成功は、必然だったのだろうと思わされます。

BTSが最強のチームである理由 ①徹底的に話し合う

一見、当たり前に思えるかもしれないことですが、どんなチームでも、一番大切なのはコミュニケーションです。
それも、表層のコミュニケーションではなく、「お互いが何を考えていて、どういう方向を向いているのか」、ということをチームメンバーがお互いに理解しあっていることが何よりも必要です。

大体チームがうまくいっていない時を振り返ってみると、根本の方向性が違っていたり、一つの物事に対する認識やとらえ方が違っていることがほとんどではないでしょうか。

BTSがインタビューなどで「チームワークの秘訣」を聞かれて、真っ先に答えるのが「たくさん話し合うこと」です。
BTSがDynamiteでBillboard Hot 100で1位を獲得した際の各種取材やインタビューなどでも、メンバーたちは「何かあったら常に集まって会議をします。そしていい結果に向かって意見を集めます」と口をそろえて話していました。

また、その、BTSの「話し合うこと」を大切にしていて印象的だった場面が、ドキュメンタリー映像「Burn the Stage (2017年Wings Tourへの密着ドキュメンタリー)」の中で、最年長メンバーのジンと、テテ(V)がニューヨークでの公演直前に口論をするシーンでした。

「Burn the stage」内でのテテとジンの喧嘩

ニューヨーク公演の直前、テテがジンに、ステージ上で「もっと速く動いてほしい」と言ったことに対し、ジンが「これ以上は速くできない」として喧嘩になってしまいます。
韓国においては、儒教的思想から、年上を年下が敬う習慣が日本よりも強いのですが、ジンは普段から年上感を全く感じさせず、年下メンバーたちはフランクにジンと接しています。
しかし、この一言はジンにとってはプライドが傷つく一言だったようです。

公演直前に険悪な雰囲気になってしまったメンバー。
ここでリーダーのRMが「しっかりしろ、コンサートだぞ!素人みたいな行動は辞めろ!」と一喝してその場を収めたのですが、コンサート後に話し合いの場が持たれました。

公演後、リーダーRMの呼びかけでホテルの一室に集まり、すぐに話し合いの場を設けたメンバーたち。
テテとジンはお互いの素直な気持ちを吐露しあい、テテはジンに対し、親しい仲でも礼儀を失した言い方をしてしまったことを涙ながらに謝り、ジンもプライドが高く素直に受け止められなかったことを謝り、和解をしました。

その後のインタビューでは、ジンは「僕たちの強みはどんなに疲れていても話し合うこと」だと述べています。
また、SUGAも「喧嘩は悪いことではない。問題が起きたときはいつも話をする。それが僕たちの強みの一つ」と話しています。
リーダーのRMは「二人の行動はプロらしくない行動だった。時には引き下がることも大切。引き下がったから負けとかじゃない。常にチームのためを考えて行動するべき」と振り返っています。

何かあったときは必ず集まって、徹底的に話し合うBTSのスタイルを垣間見たシーンでした。
SUGAは「2013年デビュー時より、2017年の今はもっと深いレベルで親しくなった。」と述べており、こうして丁寧にお互いと向き合うことで、お互いにわだかまりを残さず、次のステップに進めるのだろうと思いました。

BTSが最強のチームである理由 ②お互いを尊重する、認め合う

BTSは一人一人が全く違うパーソナリティ(キャラクター)を持っています。
2020年ニューイヤーイブライブのインタビューにて、メンバーの多くが、「メンバー同士は全く違う性格であるため、仕事でなければつるむことのなかった相手だと思う。友達として出会っていたら、逆にこんなに仲良くなることはなかった。仕事だったから強制的に仲良くなった(笑)」と冗談交じりに述べていました。

全く違う性格やバックグラウンドを持つ人間が、一つのチームとしてやっていくのは相当大変なことです。
それでも、チームとなったからには、何とかしてうまくやっていかなければならない。
そのためには、まずは相手のことを理解し、尊重すること、お互いを尊敬することが大切だ、とSUGAはBurn the stageの中でも述べていました。

また、Billboard Hot100で1位を取った際、先ほどのKBSニュースのインタビューにおいても、J-Hopeは「お互いの尊重と配慮があるので、今この瞬間までこれたのではないかと思う」と話していました。

BTSの日常の動画を見ていても、常にお互いを気遣う何気ない姿がよく見られます。
末っ子のジョングクのことをお兄さんたち皆でケアして可愛がっていたり、RMの言語能力の高さやリーダーシップを皆が頼りにしていたり、「誰誰のここがすごいんだ!」とお互いのことを素直に褒め合っている姿がとても微笑ましいです。
Burn the Stageの映像内で、自分の歌声に不安を抱えていたジミンに対しSUGAが「君の歌声はすごくいいよ」と勇気づけている様子も印象的でした。
それぞれ全く違った才能を持つメンバーたちだからこそ、それぞれの強みをお互いが理解し、それを引き立たせるように行動している姿に、いつも胸を打たれます。

リーダーのRMは、KBSのインタビューにおいて、こう述べています。

「僕がよくする例えなんですが、同じ船に乗って別の方向を見ながら進んでいると思っています。実際に7人それぞれ違う環境で育ち、他のものを好んで生きてきたのに全く同じということはあり得ません。しかし、とにかく今は同じ船に乗っているということだけお互いに明確に認知していれば…また、互いに距離が近ければ発生する問題もあるでしょう。だから、時には家族のように、時にはお互いのパートナーのように、適切な距離を維持しながら尊重をしていくのがチームワークの秘訣だと思います。」

お互いの違いを認識しつつも、無理に誰かに合わせようとするのではく、その違いを受け入れて、お互いを尊重する、その極意が詰まった、とっても深い言葉だと思いました。

BTSが最強のチームである理由 ③あるべき姿(ありたい姿=理想像)を明確にし、共有する

メンバーが共有する「LOVE MY SELF」の思想

BTSが2018年に国連にてスピーチを行ったことは、ARMYではなくても多くの方がご存知のではないでしょうか。
ここで、リーダーのRMが流ちょうな英語で語った言葉には、まさにBTSの音楽を理解するうえで欠かせない「LOVE MYSELF」の思想がふんだんに盛り込まれていました。

BTSの音楽には、大人の期待や世間の常識、社会的な抑圧がのしかかり、夢を追うことを諦めたり自分を押し殺して生きる若者に向けたメッセージが込められた曲が多くあります。
激しい競争・受験勉強を経て大学を卒業しても正社員になれない、といったような閉塞感のある韓国社会において、必死に生きる若者に対し、「まずは自分自身を受け入れ、愛することから始めよう、そして自分自身の声を上げよう。」というメッセージが、BTSの書く曲の根底に流れており、多くの若者の共感を呼んでいます。

昨日、僕はミスをしたかもしれません。でも、過去の僕も僕には変わりありません。今の僕は、過去のすべての失敗やミスと共にあります。明日の僕が少しだけ賢くなったとしても、それも僕自身なのです。失敗やミスは僕自身であり、人生という星座を形作る最も輝く星たちなのです。
僕は 今の自分も 過去の自分も 将来なりたい自分も すべて愛せるようになりました。(中略)
アルバムをリリースし『LOVE MYSELF』キャンペーンを始めてから 世界中のファンから素晴らしいストーリーが届き始めました。僕たちのメッセージが 人生の困難を克服し 自分自身を愛する助けになったこと。そうしたストーリーは 僕たちが担う責任をいつも思い出させてくれます。だから 僕たちみんなで もう一歩前に踏み出しましょう。僕たちは 自分自身を愛することを学びました。だから今度は「自分自身のことを話そう」。(中略)話すことで、自分の名前と声を見つけてください。

(BTS国連スピーチ2018)

こうしたLOVE MY SELFの思想は、メンバー全員が共感しており、それぞれのアプローチで向き合う思想的テーマとなっています。

メンバーそれぞれが自作曲を持ち、ソロやユニットで作詞作曲する中でも、この思想は取り入れられています。
そして、その一貫した思想のおかげで、ソロで活動する中でも、誰か一人が逸脱することなく、一貫して「BTS」としてメッセージを届けてくれている、とファンは実感するのです。

例えば、ジミンのソロ曲「約束」においても、完ぺき主義で自分のミスを許せなかったジミンが、メンバーのジンやRMの思想に触れ、「不完全な自分であっても、まずは自分を受け入れて、認めてあげることにした」という転換点について語られています。
以下の動画は、ステージ上で、ジミンが、直前にRMがしたコメントや、「Answer : Love Myself」を一緒に合唱するファンの姿に胸を打たれ、「自分を大切にすることを自分と約束した」瞬間であったと、のちのVLIVEで語っています。

メンバーそれぞれが異なるパーソナリティを持っていても、同じ思想を共有し、お互いにいい影響を与えあっていることが分かりますね。

例え違う価値観を持っていても、グループとしてありたい姿、理想的な姿や思想を共有することは、チームで一つの作品を作る上ではとても大切なことです。
議論が紛糾し、違う方向に向かいそうになっていても、同じ思想を共有できていれば、原点に立ち返ることができるからです。

アルバム制作会議での風景

BTSは作詞作曲にメンバー自身が関わっていることでも有名です。
RMやSUGA、J-HOPEなどのラップラインを中心に、メンバー全員が曲製作に携わり、それぞれが自作曲を持っているBTS。
アイドルなのに、ここまで製作に関わっているグループは、韓国だけでなく、日本においてもなかなかないませんよね。

そんな彼らが、新アルバム(BE)を作るにあたって行った製作会議の風景が上の動画です。
それぞれがアルバムに込めたいメッセージについて自由に意見を述べ、それらをリーダーのRMと、アルバムのプロジェクトマネージャーを務めたジミンがまとめている姿が印象的です。
なお、コロナ禍でリリースされたこのBEアルバムは、メンバーそれぞれが異なる役割を分担して作り上げたアルバムです。
この動画から、BEアルバムが、それぞれの得意分野や、強みを生かし、チームとして「理想的なアルバム」の方向性を話し合って作られた作品であることがよくわかります。

BTSが最強のチームである理由 ④自分の感情を共有し、支え合う

BTSという世界的に有名なアーティストともなれば、その人気の裏で、様々な批判やアンチファンの存在も無視できなくなってきます。
メンバーの一挙手一投足に世界から注目が集まるがゆえに、ちょっとした不注意やミスなどに一気に批判が集まってしまったり、いわれのない噂やバッシングに合うこともしばしば。
日本においては、ARMYでなくとも一度は聞いたことのある「原爆Tシャツ」問題なども話題になりました。

俳優に初挑戦したテテのプレッシャーとメンバーの支え

「Burn the Stage」内でテテが語ったエピソードで、「ファラン」で俳優に初挑戦したテテが、自分の演技について悪口を言われることを想像してしまい、そればかり考えてBTSの活動に全く集中できなくなった時期があったことを語りました。
テテは、それまでは、自分の感情を共有することがあまりなかったのことですが、悩んでいることをジミンに相談したところ、「お前の代わりに何とかすることはできないけど、力になることはできる」と言ってもらったことが、とっても大きな支えになったと語っています。
「心を開いて打ち明けないと伝わらない。自分だけで抱えていてはダメなんだ。だから、メンバーがいるんだなあと思いました」とテテは語っています。

解散危機にあったBTSとジョングクの感情

2017年~2018年はBTSがビルボードにてトップソーシャルアーティストを受賞したり、アルバムがビルボードHOT200で1位を獲得するなど、大きく飛躍した時期でした。
しかし、その大きな飛躍の裏で、この時期が、メンバーにとってとても辛い時期だったことが明かされています。

好きで始めた音楽なのに、周囲からの期待やプレッシャーに押しつぶされそうになったことや、今ある成功を失ったらどうしよう、という不安感に苛まれている様子が、SUGAの言葉からもうかがえます。

同様に、2018年に出版された写真集『Dicon BEHIND THE SCENE ~僕たちが一緒なら砂漠も海になる~』の中でもSUGAが以下のように語っています。

あまりに高く飛んでいる気がします。すごくたくさんのものが見えるし、本当に遠くまで見えます。雲の上はいつも幸せだと思っていたのに、下を見るとたまに怖くなることがあります。僕たちが一緒に飛んでいることに勇気をもらっています。落ちるのは怖いけど、着陸は怖くありません。一緒にいてくれて、ありがとうございます。いつも感謝しています。サランヘヨ。

「墜落は怖いけど着陸は怖くない」と語ったSUGAの言葉が大変印象的でした。

また、同じ写真集のなかで、ジョングクのソロ曲「Begin」にまつわるエピソードも紹介されています。

プロデューサーのパン・シヒョクがつらいことはないかと尋ねた。JUNGKOOKは「僕はつらいことなんてありません。15歳の時に何もわからないままソウルに来ました。本当に僕がやりたかったことだから…」。
そして言葉を続けた。「一緒に暮らすメンバーたちがつらいことが唯一の『つらいこと』です。ほかのことは全部よくわかりません。みんながつらそうにしているのを見るのがいちばんつらいです。みんなからつらいことがなくなってほしいです」。泣いた。パン・シヒョクが泣いた。J-HOPEが泣き、RMが泣いた。JINも泣いた。SUGAも泣いた。Vも、JIMINも泣いた。そしてJUNGKOOKは嗚咽した。(中略)
SUGA:もちろんつらかったです。疲れてもいたし。だからいつも、「Begin」を聴くたび不思議な気分になります。もちろん、JUNGKOOKのソロステージを観ると、カッコいいという感想しか思い浮かびません。(中略)
JIMIN:JUNGKOOKのおかげで僕たちはもっと頑張れます。僕たち全員が「Begin」です。

普段は自分の感情を表にしないジョングクの素直な感情が、メンバーの心を打ち、チームとしてのBTSを維持する原動力になったのではないかと推察します。
マイナスなものであろうが、お互いのありのままの感情をさらけ出すことで、支え合えたり、それによってさらにお互いの絆を強くするのですね。
こうした経験を経て、BTSはさらに固いチームワークで結ばれたのではないかと思います。
また、この経験の記憶があったからこそ、辛い時期でもお互いを支え合い続けることができたのではないかと思います。

MAMA2018での大賞受賞の際、解散危機を乗り越えたメンバーの涙ながらのスピーチに、彼らとともに涙しなかったARMYはいないのではないでしょうか。

BTSが最強のチームである理由 ⑤自分たちが楽しむ

BTSが素の表情を見せてくれるRUN BTSやBon Voyage、BTS in the SOOPなどのバラエティー番組では、メンバーはとっても楽しそうにお互いふざけ合ったりしていますよね。
その風景が可愛くて、微笑ましいので、見ているこちらまで幸せな気分に浸れてしまいます。
やはり、どんなに仕事が辛くても、メンバー同士が仲が良く、楽しんでいれば、自ずと逆境も乗り切れるもの。
特にBTSはデビュー当時、事務所があまり大きくなかったことで、最初からチヤホヤされたグループではありませんでした。
バラエティー番組で雑な扱いを受けたり、アイドルがHIPHOPをすることに対して、本家のラッパーから叩かれたり、世間からの風当たりが強かった時期があったそうです。
そうした逆境にあってこそ、よりメンバー同士の絆が強くなったのでしょうし、またそれによって、逆境を乗り越え、それを作曲作業に昇華して成功をつかんだとも言えます。

SUGAのソロ曲や、ラップラインのユニット曲「Ddaeng」ではそんな逆境を曲にして笑い飛ばしてしまう気概が見えますね。

「Break the Silence」でBTSの活動が楽しいと語ったメンバーたち

2020年に公開された映画「BREAK THE SILENCE: THE MOVIE」は2019年に行われた「BTS WORLD TOUR ‘LOVE YOURSELF: SPEAK YOURSELF’」に密着したドキュメンタリーですが、ここでは、2017~2018年の辛かった時期を乗り越えたメンバーの頼もしい姿を見ることができます。

印象的なのは、「Burn the Stage」、「Bring the Soul」と続いたドキュメンタリー映画では、メンバーたちがツアー中に喧嘩をしたりケガをして苦しんでいる様子が映される場面が多かったのに対し、「Break the Silence」においては、ポジティブにツアーを楽しんでいる場面が多かったことでした。

ジミンは「厳しいスケジュールでもBTSでの活動を頑張れる理由は、BTSでの活動が楽しいから」とインタビューに答えていたり、ジョングクは、「以前は歌番組などで1位をとれるかどうかなど、数字面を気にしていたが、今はそれよりもいかにBTSの活動を通じて楽しいことができるかを考えている」と話していました。

また、「BREAK THE SILENCE:THE MOVIE COMMENTARY PACKAGE」では、コロナ禍でコンサートができなくなったメンバーが、映画を一緒に視聴している様子を映していますが、メンバーたちは口々に「今は本当にコンサートがしたい!実際にコンサートが始まると本当に体力的に大変なのだけど、コロナ後にコンサートできることになった際は、もっと上手にこなすだろうし、楽しめると思う」と語っていました。

BTSが最強のチームである理由 ⑥誰かの幸せのために働く

コロナ禍において、一生懸命準備したコンサートがすべて中止になり、メンバーたちはかなり落ち込んだといいます。
特に、テテはコロナ禍に入った直後の時期、バラエティー番組などで元気がない姿が見られ、ファンの間で心配する声が多く上がりました。
そんな中でも、テテは自らの感情と向き合い、BEに収録されている「Blue and Grey」という曲にして、自らの感情を昇華することで、うつ状態を克服したのだ、とWeverse Magazineにて語られています。

Weverse Magazine テテカムバックインタビュー

Weverse Magazine BTSが心の治療を伝える

同紙(後者リンク)においては、さらに、以下のように綴られています。

DF精神健康医学科専門オ・ジンスン医師(YouTubeチャンネル『ドクター・フレンズ』を運営)はこのような創作方式について、「人によって、葛藤やストレスを解決するいろいろな防御メカニズムがある。そのうち成熟した防御メカニズムである『昇華』は、自分の葛藤や苦しみを芸術的に昇華させることであり、BTSの場合、作詞、作曲など、音楽で表出しコントロールしているのではないだろうか。そしてそれを通して多くの人に感動を与え、喜びを感じるのではないか」と語る。

(中略)

キム・ヒョンスセンター長は、「創作者は感情を生産して与えるのだが、自分は与えた分空っぽになり、それを誰かが補ってくれたり自ら満たさなければ、苦しみが生じる」と話す。だからこそ、創作を通した感情昇華の過程の先には、それを受け入れる人たち、BTSの場合特にファンたちの役割が重要だ。

コロナ禍で直接ファンの声援を受けられないことは、BTSにとって、とても辛いことだったようで、特にテテは、コロナ禍以後、かなり頻繁にWeverseに訪れファンと交流する機会を多く持っていました。
その理由について「自分が愛されているのを確認したかった。」と語っています。
また、ジミンなどの他のメンバーも、コロナ禍のVLIVE等で、Weverseの投稿を見ながら「自分たちの作った作品や自分たちの活動によって、ARMYたちが幸せになっている様子を見るのが一番嬉しい」と語っています。

BTSは常にファンへの感謝を忘れず、賞を受賞した際は、必ず「ARMYのおかげ」という言葉を添えます。
ファンをとても大切にしており、ファンのために書いた曲がたくさんあります。
まさに、今回のBEアルバムは、コロナ禍において苦しむファンに向けた癒しのメッセージでした。
BTSのメンバー全員が「ファンの幸せために」働いてくれているのが、とてもよく分かります。
また、それによってファンからの感謝の言葉や反響を受けることが、さらに彼ら自身の原動力にもつながっており、結果として彼ら自身の心をも満たすことにつながっているのですね。

私たちが生きるうえで、一番大切なことは、「誰かの幸せのために何かをすること」ではないかと思うのです。
自分の仕事や家事、育児によって誰かが幸せになっている姿を見ることが、自分のさらなる原動力につながっていくのだと思います。
BTSのこうした言動によって、人生の本質を学んだ気がしました。

BTSが最強のチームである理由 ⑦誰が欠けてもいけない

SUGA不在の際のメンバーの行動

2020年後半、SUGAが肩の手術でしばらく活動を休止しました。
活動を休止している間でも、メンバーは必ずSUGAの写真を持ち歩き、受賞の際のコメントでもかならずSUGAのことに言及していました。
バラエティー番組やカムバックの動画においてはリハビリ中のSUGAに電話を掛けたりもしていました。

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BTS公式ツイッターより

また、パフォーマンスの際も、常にSUGAのスペースを開けてフォーメーションを組み、見ている側は逆に「不在のSUGAの存在」を強く印象付けられました。
また、極めつけは、CGでSUGAをパフォーマンスに登場させるなどの演出まで!
メンバー「BTSは7人揃って完成形なのだ」と常に語っています。

このようにされることで、SUGA自身も、「自分の戻るべき場所はココなんだ」と改めて強く感じたでしょうし、メンバー自身も、「誰が一人欠けてもいけない」と、さらに実感したのではないかと思います。

Bon Voyage3でのエピソード

Bon Voyage3において、最初、テテが家の事情で旅に遅れて参加しました。
たった3日ほど離れていただけなのに、テテが旅に合流した際のメンバーの喜びようといったら大変なもので、とても微笑ましくなりました。
しかし、テテが合流したと思ったら、今度はSUGAが家の事情で早く旅を切り上げることに。
その際に、メンバーが口々に「ずっと7人でいたから、誰か一人がいないだけで喪失感が大きい」と常に語っていたのが印象的でした。
また、「この景色をテテに(SUGAに)見せてあげたかったなあ」と常に話していることも、本当に仲がいいんだなあということが伝わってきました。

メンバー自身が日ごろからお互いを大切にし、「誰か一人が欠けてもBTSじゃない」という考え方が、メンバーが誰一人として疎外感を感じることなく、BTSというチームの絆を強固にしている理由そのものなんだろうと思います。
また、BTSは自分たちは「家族のような関係」と語っており、常に「帰る場所」として存在していることで、メンバーそれぞれがソロで活動したとしても、誰かが逸脱したり、誰か一人が際立って目立ったり、ということがない理由なのだろうと思います。
それは、チームメンバー全員が気持ちよく活動するためには、必要不可欠な条件です。

常に、チームの中での自分を考える。このことが、チームの絆をより強固にします。
また、BTSともなれば、様々な大人の事情により、他の事務所などから「引き抜き」などの類の話があってもおかしくありません。
そうした誘惑にも負けずに、常に7人で進み続けることができている理由が、こうしたチームワークの強固さにあると思います。

早く行きたければ、ひとりで行け。 遠くまで行きたければ、みんなで行け。

「早く行きたければ、ひとりで行け。
遠くまで行きたければ、みんなで行け。」

これは、アフリカのことわざです。
皆さんも学校や職場において、意見が合わず中々物事を先に進められない時「これだったら一人でやったほうが早いわ」と思ったことが少なからずあると思います。

これまで、BTSのチームワークをエピソードとともに見てきましたが、バックグラウンドや考え方、価値観の異なったメンバーの力が合わさったとき、それぞれの強みが生かされ、素晴らしい曲やパフォーマンスとして帰結し、結果的にアジア出身の歌手としては前代未聞の偉業を数々成し遂げました。

BTSの万能末っ子で、多くの曲でセンターを務めるジョングクも、「自分ひとりだったら何ができるんだろう?自分ひとりだったらここまでのことは成し遂げられなかったと思う。」とインタビューで述べていました。

多様な価値観を持った人が集まって、一つのチームとしてうまく行くことは大変難しいです。
それでも、それを達成したときは、とても大きなシナジー効果が発揮され、大きな成果へとつながることは確かです。

それを体現したBTSのチームワークからは学ぶことがたくさんありました。
彼らの人間らしい葛藤やそれを克服する姿が、ファンの心を捕らえ、共感を呼ぶのだろうな、と思います。

結論としては、「BTSは素晴らしいグループだ!」ということです。
それは単に「かっこいいから」「パフォーマンスがすごいから」という理由だけではなく、数々の普遍的な哲学を持ち、それを世界に提示してくれているからなのだと思います。
また、それに共感したファンが、単なるファンではなく、「相当熱狂的なARMY」になることも大いに納得できます。

今後も彼らの活躍から目が離せませんね!

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